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お坊さんと不思議な話 第一話|S-Labo

お坊さんと不思議な話 第一話

松葉 裕全

洋の東西を問わず宗教には様々な不思議な話があります。宗教とともに残ってきた物語には現実には起こりそうもないことがたくさん載っています。不思議な物語はとても魅力的で、妖怪や精霊たちが、目の前にいるかのように活躍しています。

そんな不思議でおもしろいお話をお坊さんというキーワードとともに探していきます。

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はじめに

お坊さんといえばお葬式と結びつける人はたくさんいます。お寺に相談に来る方は、法事や葬儀のことで聞きたいことがある場合がほとんどです。しかし、中にはお化けは見えるんですかとか除霊の経験はありますかなども聞かれることがあります。相談に来られる方の中には、そうした不思議な世界とお坊さんにはつながりがあると考える人も多いようです。

 西遊記に代表されるようにお坊さんが妖怪などと戦うお話もたくさんあります。日本の昔話にも、お坊さんやお経が持っている不思議な力を駆使して困った人を助けたりしています。そこで、お坊さんや仏教がどのように人々に親しまれていたのかを知るきっかけとして、昔のお坊さんに関する不思議なお話をご紹介していきます。

第一話「天をかける僧侶」

 「(だい)(ゆう)(さん)(さい)(じょう)()」。ここは神奈川県小田原にある修行道場です。このお寺は、祈祷など願掛けをしたりする方が多く訪れます。特に、大きな下駄や天狗の像などが有名です。天狗は日本各地の民話において比較的ポピュラーな妖怪ですが、人間に悪さをするだけの妖怪ではありません。

 最乗寺には守護者となっている「(どう)(りょう)(だい)(さっ)()」がおられます。一般には「道了尊」、親しみを込めて「道了さん」と呼ぶ人もおり、地元の方々にはなじみのある御方です。

 さて、道了さんをお話する上で重要な人物が、「(りょう)(あん)()(みょう)」というお坊さんです。このお坊さんは最乗寺を建立し、最初の住職になった方です。

 慧明さんが住職になったきっかけがとても不思議です。このお坊さんは、現在の神奈川県糟谷に生まれ、幼いころから僧侶になりたいと願っていました。実際に僧侶になってからはたくさんの勉強や修行を積みかさね、日本有数のお寺で修行僧のまとめ役を務めるような高僧となりました。引退した慧明さんがお袈裟を木の枝にかけていたとき、一羽の鷲が飛んできてお袈裟を持っていってしまいます。困った慧明さんは、鷲を追いかけていきました。山の方まで飛んできた鷲は中腹にある老松にお袈裟をかけたのです。慧明さんは登ってとることも出来ませんので、しかたなく松の下で坐禅をしていました。すると一陣の風が吹き、お袈裟が落ちてきて肩にかかったのでした。

 慧明さんはその出来事にいたく感動し、ここはどんなところなのかと見回してみました。そうすると、とても雰囲気のよい場所であると気付き、ここに修行道場を建立しようと思い立ったのです。そう思った矢先、山の神である大山明神が姿を現し、お寺を作ってくれと慧明さんに頼んだのでした。

道了さん、登場

 大雄山にお寺を建てようとしましたが、あたりは木々が鬱蒼としていたり、谷があったりでなかなかお寺を建てられそうな場所がありません。困っていたところ、弟子の道了さんが文字通り飛んできました。

 道了尊は、もとは修験道の行者でとても不思議な力を持っていました。その力は一人で五百人に相当するというのだから驚きです。道了さんは旅の途中、慧明さんが住職をしていたお寺で出会い、弟子となっていました。師匠の一大事とあっては協力しないわけにはいきません。なんと、神通力で到底持ち上がらないような大岩を動かしたり、谷を埋めたりと大活躍します。さらに水が必要になるので、井戸を掘っていたところ鉄の印鑑を掘り当てました。取り出してみると周辺から次々ときれいな水が湧きだしたのです。この水は「金剛水」と呼ばれ、現在でも最乗寺の境内で湧き続けています。

道了さん、変身する

 慧明さんは、最乗寺で住職を務め七十五歳でこの世を去りました。道了さんは師匠の死を看取った後、この最乗寺を自分の力で守っていこうと決心しました。そして、ここに来る人々も同じように守ろうと誓ったのです。

 

 “先師既に示寂せらる予の因縁も玆に終われり、然れども尽未来際当山に在て伽藍を守護し衆庶を利済すべし。”

 (師匠はすでに亡くなり、私の因縁もついに終わった。しかしながら、この先ずっとこの山に居続け、お寺を守り人々を救っていく。)

 

 誓いを唱えたその時、道了尊は空中に浮かび、変身しました。手には錫杖や悪いものを縛り上げる縄を持ち、背中には翼が生え、全身に炎をまとった姿になったのです。さらに白狐にまたがり消えていきました。現在では、天狗の姿で描かれ、大きな力を持った存在として信仰されています。

人々を守る意志

 大雄山最乗寺に、祈祷や願掛けなどで訪れる参拝者が多い理由がわかったような気がします。この天狗になった僧侶というお話は、人間が妖怪、この場合は守護神になるという壮大な内容になっています。道了さんは、もともと神通力を持っていたのに、それを自分のために使わず、お寺のため師匠のため、後世の人々のために使っています。そんな自分の大事なものを守りたいという道了さんの意志が、最乗寺で行われる祈祷や願掛けにつながっていたのでしょう。道了さんのその意志は、今でもお寺と人々を守っているのです。

出典:大雄山最乗寺 『大雄山誌』 鴻盟社 昭和36

最乗寺HP:http://www.daiyuuzan.or.jp/index.html

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