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お坊さんと不思議な話 第三話|S-Labo

お坊さんと不思議な話 第三話

松葉 裕全

 前回のお話は妖怪を攻撃して退治するという話でした。しかし、お坊さんは何も退治だけではなく、相手を説得もするのです。手を変え品を変え、妖怪と人間がうまいこと共存する関係を作るのもお坊さんなのかもしれません。今回は妖狐を果敢に説得をするお坊さんのお話です。

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第三話 殺生石を鎮めよ

 皆さんは「(きゅう)()(きつね)」についてご存知でしょうか。漫画『NARUTO』で有名な九尾の狐です。もともとは平安時代に現れた妖怪でした。かつては中国にいたといわれ、王朝を何度も滅ぼしてきた存在です。『封神演義』をご存知の方は妲己を覚えているでしょうか。大王をたぶらかしたあの妲己の正体が九尾の狐でした。中国で正体を見破られ、追い詰められた九尾の狐は日本に逃げてきます。そして日本でも、美しい女性に化け「(たま)(もの)(まえ)」として天皇に取り入ろうとしていたのです。

 その計画がうまくいくかと思われたとき、宮中にいた陰陽師の()(べの)(やす)(ちか)が「(ひき)()(めい)(げん)の法」という儀式を行って正体を暴きました。

 正体を暴かれた九尾の狐は、空を飛び逃げ去ってしまいます。安倍泰親は五色の呪符を投げつけ、そのうちの青色の符が九尾の狐を追跡します。その符は、現在の栃木県那須に落ちていました。そこの領主「那須(なすの)八郎宗(はちろうむね)(しげ)」がその符を見つけました。

九尾の狐、討伐

 宗重は、何事か起こっていると感じ、都へ連絡します。報告を受けた朝廷は、なんと総勢一万五千人の軍勢を派遣したといわれています。宗重の案内で、軍勢は陣を敷き、ついてきた安陪泰親は術を使って九尾の狐がそこから飛ばないように封じ込めました。その後戦闘は三日に渡り続いたといいます。三日目になってついに九尾の狐は討たれました。

 狐は討たれた後、変化して岩に姿を変えます。この岩は「殺生石」と呼ばれ、毒を吐いて多くの生き物を害したのです。殺生石を封じ込めようと名だたる高僧が何度となく挑みましたが毒に倒れていってしまいました。

源翁和尚の一喝

 そこで現れたのが、源翁和尚でした。この方は、正式には「(げん)(のう)(しん)(しょう)」という名前です。このお坊さんは、非常に優秀な方として知られていました。出身は(えち)(ごの)(くに)、現在の新潟県です。源翁の両親は、子供ができないことを非常に悩み、観音様にお願いしました。すると、光り輝くような特別な夢をみたのです。その後妊娠が判明し、無事に源翁は誕生しました。両親は源翁を出家させ、勉強をさせたのでした。16歳のときに正式な和尚となり、ますます勉強に励みました。当時、非常に有名だった「()(さん)(ぜん)()」という方の下で修行し、その方の優秀な弟子の一人に数えられるまでになったのです。

 和尚は各地を巡りながら修行を続けていたのですが、那須に差し掛かったところで殺生石の話を聞きました。何とかしようと思い立ち、殺生石に向かいます。殺生石の前に坐り、祈祷を行った後、岩を三度たたいて「喝」、と大きな声を出したのです。その後、岩に対して語りかけました。

「石の精よ、悪しき力は仏の教えによって清浄なものとなる。執着のある魂は帰るところがないのだ。あなたは今このことについてきちんと考えなさい。」

 と懇切丁寧に説得しました。その願いが通じたのか石から声が聞こえてきて「私の迷った心は和尚のおかげで救われました。今はとても安心して落ち着いた心持ちです。」と答え、殺生石の毒は治まったのです。

 

相手を諭すこと

 源翁和尚は、退治するということではなく、説得を用いて殺生石を鎮めたのでした。妖怪と対峙するときのやり方はいろんな説話があります。前回の記事にあった、村人を守るために行った物理攻撃もその一つです。しかし、源翁和尚は、安心に導くような道を説き示したのでした。これもまた困っている誰かを助ける方法なのでしょう。その思いは、きっと人間でないものにも通じるのです。

 

参考文献 横井見明編 『源翁和尚と殺生石』 森江書店 明治四十四年 

写真 鳥山石燕 『今昔百鬼拾遺』 より

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