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2/14のフリースタイルダンジョンに僧侶は何を想う?|S-Labo

2/14のフリースタイルダンジョンに僧侶は何を想う?

西田 稔光
お坊さんHIP HOP助演男優賞未来予想図フリースタイルダンジョンエッセイCreepy NutsラップR-指定

 みなさんはフリースタイルダンジョンという番組をご存知でしょうか?フリースタイルMCバトルといって、ラッパーが即興のラップで対戦をする番組です。高校生ラップ選手権と並んで、近年のラップブームの火付け役でもあります。大学の頃からラップが好きだった私は、ただただ「すごいなぁ、かっこいいなぁ。」と観ていたこの番組ですが、2/14に放送された回はとても考えさせられる内容でした。同い年のラッパーの言葉に想ったことを書いてみました。

©テレビ朝日

©テレビ朝日

異例の放送

フリースタイルダンジョンは、毎週水曜1:26 – 1:56にテレビ朝日で放送されていて、普段は約30分の放送枠の中で90秒だけ、収録の際に会場で行われたライブの様子が映るのですが、今回はメインのラップバトルもそこそこに、半分近くがライブの放送に当てられました。

 出演したのは、『助演男優賞』というミニアルバムをリリースしたCreepy Nuts(クリーピーナッツ)です。Creepy Nutsはこの番組の出演者の中でも無類の強さを誇るMC、R-指定氏とDJ松永氏による1MC1DJのヒップホップユニットです。

CreepyNuts(公式HPより)

CreepyNuts(公式HPより)

 放映されたライブは、はじめに最新のミニアルバムのメインの曲である「助演男優賞」をパフォーマンスした。HIP-HOPというカルチャーに身を置く彼ら自身を、メディアや音楽業界の“助演男優賞”として讃えつつ“正統派のベンチウォーマー” “蕎麦屋のカツ丼”などと表現しながら、トラックの上で胸を張って脇役を演じるこの曲が私は大好きです。

『助演男優賞』MV

MC R-指定の「想い」

「助演男優賞」を歌い終えると、MCであるR-指定氏はこう語り始めます。 

「ちょっと真面目な話をしますと、こうやってフリースタイルダンジョンで、もちろんめちゃめちゃ盛り上がってるし、こんなにいっぱいお客さんも来てくれてるし、俺らとしては嬉しいことというか、やっぱり…。

 でも昔っからフリースタイル(ラップ)している人間として、昔っから(MC)バトル出ている人間として、今こうやってブームになって、ブームやから、『お前らブームに乗ったな』とか、そういう風に言われるのってすごい複雑で、俺としては昔から全く同じことをしてるだけなんですよ。

昔からフリースタイルもしてるし、サイファーもしてるし、バトルもしてるし、で、曲も作ってるしライブもしてるし。でも、こうやってブームになったら全然興味がなかった人たちもバーってきたり、これまで全然HIP-HOPなんて馬鹿にしてた人たち、そーいうメディアとか、手のひら返したようにバーっと寄ってきて『フリースタイルすごいですね!観てます!』って言ってくるんですけど、やっぱりおれが卑屈なんか、昔からそういう冬の時代が長かっただけあるんか、全部疑ってしまうんですよね。

手放しに『よっしゃブームや!俺たちの時代や!やったー!』なんて思ってる人は、出てる人も、もちろんこうやって司会してるZeebraさんもUZIさんも、全員思ってないです。もちろん(出演している)モンスターのメンバーも、全員どっか危機感とか、どっか複雑な思い抱えてやってます。パブロ(T-Pablow)もチコ(CHICO-KARITO)もおれも漢さん(漢a.k.a.GAMI)も上野さん(サイプレス上野)もDOTAMAさんも般若さんも全員そうです。

 で、そんな中でおれは考えました。じゃあ何やるべきか?考えに考えた結果、何も特別なことはない、シンプルなことだけなんですよ。いいラップいい曲を作っていいライブをする、そんでこうやって生で観に来てくれるお客さんとか、いつも周りにおるメンバー、仲間、大切な家族、そういう、ほんま半径100メートルくらいのことを大切にして、ほんでいい曲作っていいライブをする。このシンプルなことを、ブームが来てもブームが去っても、カメラが無くなっても雑誌が来なくなってもやることは一緒です。そういうことを考えてこういう曲を作りました。」

(放送の書き起こし。文責:西田)

 

Creepy Nuts『未来予想図』

 そう言ってから最新のミニアルバムから「未来予想図」をパフォーマンスしました。

 

『未来予想図』Lylic Video

俺を俺たらしめるもの三連覇の称号?テレビの人?どれもちゃう

俺を俺たらしめるものそれは全てが無くなった時に残る物や人

世間が愛想を尽かしもはや利用価値無し

それでも愛してくれるあの娘やあの人やあいつ等

地元、帰る場所、歩道橋 

韻律と親密で緻密な独り言

それに支えられてきた今までがあった” (「未来予想図」より)

 日の目を見てこなかった文化がブームと呼ばれる世間の流れに飲み込まれたその先に、一体何が待っているのか––。高揚する気持ちの裏側にある不安や焦燥感がリリックの中に込められていました。

 この放送、このリリックを見て、私は考えさせられました。仏教やお坊さんは今、以前より注目を浴びています。テレビからは仏教やお坊さんを取り上げたバラエティやドラマ番組が流れ、今年に入ってからでも一般向けの雑誌数社で特集が組まれたりしています。仏教が、お坊さんが社会に求められている時代なのかもしれません。しかし、実際のところ、ラッパーがいい曲を作っていいライブをするように、私がお坊さんとして「すべきこと」が当たり前にできているでしょうか。

 

今、お坊さんがすべきこと

 今はもう、国によって護られ、地位を保証された歴史の上での仏教ではないような気がします。私には、お坊さんがお檀家さんに護られ、丁重に扱われていたことで、何かふんぞり返ってしまっているように感じるのです。今は、中身を見られ、試され、取捨選択される時代ではないのか。そこで必要になってくることは何か。それこそまさにR-指定氏の言う「半径百メートルくらいを大切にして、するべきことをする」ことなのではないかと思います。

 修行に行き、携帯電話も財布も洋服も学歴も資格も無くなった時、それでも手紙をくれる家族や友人がいてくれました。本当に何もかもをなくした時、私を支えてくれる根っこの部分に気づけたのです。しかし、修行が終わり、また情報や物や人に囲まれた生活、楽しみの多い生活に戻った今、時々それを忘れそうになる時があります。自分が良い流れに乗っている時ほど、その根っこの部分を大切にしなければならないのではないか、そう感じます。

 修行を終えて一年経った今日、改めて自分は近くにいる人の悩み苦しみを見逃してはいないかと、不安になります。

 お坊さんもまた、社会にもてはやされている今こそ、半径100メートルを大切に、すべきことをすることが求められている気がしてなりません。「僧職系男子」も、大風呂敷を広げ過ぎれば手のひらを返されるのが世の中の理です。浮き足だって、いい気になるのではなく、そんな時こそ自分を支える根っこを大切に、ただ為すべきことを為す。今回のフリースタイルダンジョンでのR-指定氏のライブは、お寺の玄関で散々見たあの言葉をもう一度思い出させてくれました。

 脚下照顧−−。

忙しさ、慌ただしさ、楽しさ、辛さ、様々な感情が揺れ動いた時こそ、自分の根っこの部分を省みなければならないのです。修行を終えて一年が経ち、都会での生活に慣れてしまった私が今、よく噛みしめなければならない言葉なのかもしれません。

 仏教を多くの人に知ってもらうにはどんなことをすればいいのか。SNSで拡散して、インパクトのあることをして、あれをしてこれをして…。本当に仏教を知ってもらいたいと思うなら、手広くやることでもなく、あれが正しいこれが正しいと押し付けることでもなく、自分のその姿から何かを感じてもらうことが大切なのかなのかもしれません。半径100メートルくらいの世界を大切に、すべきことをして「みせる」のではなく「みえる」自分になろう、そんなことを思いました。

 

 

©Trigger Records

©Trigger Records

Creepy Nuts最新ミニアルバム『助演男優賞』

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