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マイケル・ジャクソンの命日にちなんでVol.2〜仏の耳で聴く音楽〜|S-Labo

マイケル・ジャクソンの命日にちなんでVol.2〜仏の耳で聴く音楽〜

西田 稔光
他は自己の鏡僧侶マイケル・ジャクソンMichael Jackson音楽仏教仏の耳で聴く音楽お坊さん命日man in the mirror

2009年6月25日、KING OF POPと称えられたスーパースター、マイケル・ジャクソンは50歳という若さでこの世を去りました。今回はマイケルが平和への思いを託した名曲を振り返り、僧侶として平和について考えてみました。第二回となる今回取り上げるのは「Man in the mirror」です。

 

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引用元URL:https://www.youtube.com/watch?v=PivWY9wn5ps&index=1&list=FLfdBCYxMdEnQGt-xUaiyIGQ

音楽と平和

仏の耳で聴く音楽〜マイケル・ジャクソンの命日にちなんでvol.1〜では、「Black or White」を聴いて、マイケルの楽曲と人種差別について考えてみました。そしてマイケルの目指した人種差別のない社会の根底にはもちろん、世界平和があります。一方、世界平和という言葉は誰もが願っているようで、どこか実現しないものだと感じているような気がします。
 そこで、平和を実現するにはどうしたらよいのか、本気で世界を変えようとしたマイケルの言葉が紡がれた曲が「Man in the Mirror」です。今回はこの曲を聴いて、平和の実現について考えてみたいと思います。

曲の概要

 Man in the Mirrorが発表されたのは1998年、Black or Whiteの2年前です。歴史上最も売れたCDアルバム、「Thriller」の発表以降、ヒット曲を連発していた時期のことでした。古くからの相棒であるプロデューサー、クインシー・ジョーンズとともに製作したこの曲は「BAD25」というドキュメンタリー映画で詳しい制作過程が語られています。また、この曲のMV(ミュージックビデオ)の特徴は、本人がほとんど登場しないところです。「Thriller」や「Beat it」、「Black or White」のような、マイケルの代名詞とも言えるダンスもなく、画面上に映し出されるのは、貧困や戦争、世界で起きる様々な惨状や事件を伝える映像がつなぎ合わされたものが中心となっています。

願いと現実

 曲の序盤から、マイケルは平和を願う一方で、自分は路上で飢えに苦しみながら暮らす子供を見て見ぬふりをしたじゃないか、と自身を責めます。これは筆者自身も非常に考えさせられることです。僧侶として人の役に立ちたいと考えながら、悲惨な事件や争いに対して何もできない、向き合う度胸もない自分の無力感や情けなさに打ちのめされることがあります。
 その苦しみにマイケルは答えを出しました。

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引用元URL:https://www.youtube.com/watch?v=PivWY9wn5ps&index=1&list=FLfdBCYxMdEnQGt-xUaiyIGQ

マイケルが見た「変えるべきもの」

I’m starting with the man in the mirror
(まずはじめに鏡の中の男だ)

I’m asking him to change his ways
(どうしたら変われるのか彼に聞いてみるんだ)

And no message could have been any clearer
(これほどわかりやすいメッセージはなかった)

If you want to make the world a better place
(世界をよりよいものにしたいのなら)

Take a look at yourself, and then make a change
(自分自身を見つめ、変えていこう)

(Man in the Mirror/Michael Jackson より)

筆者訳

 

きっとマイケルは、ヒット曲を連発し、世界に影響を与えられるようになっていく中でたくさんの葛藤があったのだと思います。なぜ世界が変わらないんだ、なぜこんなにも自分は無力なんだ。そんな葛藤の中で見つめたのは鏡の中に移る男、つまり自分自身でした。他人を変えよう世界を変えようとするのではなく、鏡に映るその男を変えよう、そう決心したのではないでしょうか。

他は自己の鏡

 この歌詞の中で重要なのは、鏡とは何かということではないかと思います。筆者には、「鏡の中の男=自分を変えよう」という、そんな単純なメッセージではない気がしたのです。
 この鏡とは目の前の「人」のことではないでしょうか。何故なら、私達は他人に対して「私」を投影して生きているからです。親の前では子ども、店員の前では客、恋人の前ではその恋人として、他人という鏡に自分という存在を映し出しながら生きているのです。逆に、目の前の他人がいなければ「私」が誰なのか分からなくなってしまうでしょう。現実にある鏡は、時に曇ったり、埃をかぶったり、扱いが悪ければ割れてしまうこともあります。そこに映る自分の姿もまた、曇ったり、埃をかぶったり、ひび割れたりしてしまいます。
 ある老師が「人と人の間で生きて、人間になるんだよ」とおっしゃっていました。生きるということは、他人と関わらざるを得ないことです。他人を鏡として大切に磨くことができたら、自分のより良い姿を見ることができます。それはいつ何が起きるか分からないこの世界で、安心して生きるための唯一の方法かもしれません。
 いつも顔を合わせる、家族や友人、恋人や同僚、先輩、後輩…。
 おそらくもう会うことのないであろう、電車やお店、道ですれ違う人々や、顔も知らないインターネットで繋がる人々…。
 私達が皆、あらゆる他人を自己の鏡として大切にしながら生きていくことができたなら、互いを思いやり、支え合う社会へと一歩前進すると思うのです。

世界とは何か

 マイケルは世界を変える為に、鏡に映る男(=他人との関わり方)を変えるところから始めたのだと思います。それでは、果たしてその世界とはどのように出来ているのでしょうか。
 『華厳経』というお経には、この世界には宝石が編みこまれた網がかけられていると説かれています。そして、その宝石の中の一つに光が当たった時、反射した光が次々に連鎖反応を起こすようにしてお互いを輝かせ、やがて世界がその輝きに包まれるというのです。
 もちろん、この宝石は私達人間を指しています。一人の人間が目の前の他人を自己の鏡として大切に接した時、その他人もまた同じように他人を大切にし、それがどんどん広がって、いつかは世界中を巻き込んでいくのです。

まずは鏡の中のその人から

 この世界は私達の一人一人が関わり合い、繋がることで成り立っています。一人いなくなればそれはもうその人がいない世界です。同じように、一人が変われば世界もまた変わるのです。
 国を動かし、世界を動かすのは政治家ではなく私達一人一人です。今日、目の前にしたその人を自己の鏡として大切にし、より良い自己を映していくこと、まずは鏡に映るその人を変えていくことが、マイケルがたどり着いた世界平和実現への道筋なのではないでしょうか。その鏡は時に残酷なまでに向き合い難い現実を映し出すことがあります。しかし、そこに立ち向かっていくことが私達をお大きく変えてくれるのです。そしてマイケル自身が、誰よりも鏡の中のその人と向き合った人であったはずです。彼が目指した道を、生きている私達一人一人が歩むことができたなら、マイケルの葛藤や苦悩もまた報われるのではないかと思います。

 

vol.3へ続く

 

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