S-Labo

>> お好きなキーワードを選択してください。そのキーワードの記事がまとめて読めます。

ロボットBlack or Whiteお坊さん,不思議な話,呪文,護呪経,アングリマーラ,パリッタお坊さんShojin-ProjectChildish Gambinoダイエットman in the mirrorThis is JapanLGBTコラムいじめアロマWe are the world:25 for Haitiインタビューマインドフルネスフリースタイルダンジョンイベント人種差別ストレス研究ゲイリラックスR-指定This is AmericaHIP HOPくせのうたエンディング産業展HOME MADE 家族Michael Jacksonマイケル・ジャクソン一水四見ガキ使お金エッセイラップSOGICreepy NutsセクシャルマイノリティWe are the worldゲイバーThis Is Nigeria
S-Labo
tags

>> お好きなキーワードを選択してください。そのキーワードの記事がまとめて読めます。

ロボットBlack or Whiteお坊さん,不思議な話,呪文,護呪経,アングリマーラ,パリッタお坊さんShojin-ProjectChildish Gambinoダイエットman in the mirrorThis is JapanLGBTコラムいじめアロマWe are the world:25 for Haitiインタビューマインドフルネスフリースタイルダンジョンイベント人種差別ストレス研究ゲイリラックスR-指定This is AmericaHIP HOPくせのうたエンディング産業展HOME MADE 家族Michael Jacksonマイケル・ジャクソン一水四見ガキ使お金エッセイラップSOGICreepy NutsセクシャルマイノリティWe are the worldゲイバーThis Is Nigeria

「居眠り」からみる仏教 ―瑩山禅師式睡魔調伏法―|S-Labo

「居眠り」からみる仏教 ―瑩山禅師式睡魔調伏法―

中野 孝海
考察仏教

 ポカポカと暖かな陽気が続く春。温暖な気候は、昼夜を問わず私たちを眠りの世界へと誘います。

 許されるならば、そのいざないにこの身を委ねたい。惰眠を貪り、気が済むまで眠っていたい。

 しかし、現実は非情であり、眠気は時に睡魔となって私たちに襲い掛かります。

 一体どうすれば、この眠気を克服することができるのでしょうか?

20180416_115344

窓辺で気持ちよさそうにお昼寝をする猫。

春眠暁を覚えず

 唐の時代の代表的な詩人であった孟浩然もうこうねんが詠んだ詩を御存じでしょうか?

春眠しゅんみん暁を覚えず、処処しょしょ啼鳥ていちょうを聞く、夜来風雨の音、花落つること知る多少」

 この詩が表現しているように、春という季節は、昼夜を問わず過ごしやすい日々が続き、古来より睡眠に適した時期といえるでしょう。

 暑くて寝苦しいということもなく、寒さに凍えることもありません。朝起きてすぐの二度寝はもちろん、日の光が差し込む窓辺で行う昼寝はまさに至福の一時といえます。

 人間が生きていく中で、欠かすことのできない要素である睡眠。

 しかし、時に眠気は睡魔となって、私たちの目の前に立ちはだかります。

 仕事中、勉強中、移動中、坐禅中……

 場所を選ばず、時間を選ばずに私たちに襲い掛かる睡魔。

 どうすれば、この問題を克服することができるのでしょうか?

『坐禅用心記』に学ぶ

 曹洞宗の修行道場の1つである總持寺そうじじをお開きになられた瑩山けいざん禅師は、自身の著作である『坐禅用心記ざぜんようじんき』の中で、坐禅中の眠気への対処法を書き記しました。

 曹洞宗の坐禅は、壁に向かって足を組み、ただ黙々と坐ります。当然脚を組んでいる訳ですから、動きに制限があります。

 自分以外の方の坐禅を邪魔してもいけませんから、出来る限り静かで動きの少ない動作で、確実に眠気を覚まさなくてはならないのです。

 古来の修行僧たちは、一体どのようにして眠気を覚ましたのでしょうか?

 『坐禅用心記』には次のように記されています。

 

 もし坐禅中に睡魔に襲われた時は、

 ①まず上半身を揺らし、眼を見開きなさい。

 ②それでも駄目なら、目を擦り、身体をさすりなさい。

 ③それでも駄目なら、その場を立って少し歩きまわりなさい。(筆者訳)

 

 ……実にシンプルです。

 ①②については、容易に想像することができるかと思います。

 しかし、③の「ゆっくり歩く」という点については、少しだけ説明する必要があるでしょう。

 何故ならば、ここでいう「歩き回る」とは、ただ歩き回るわけではなく、定められた作法に随って行う歩き方だからです。

「経行」という歩き方

経行きんひん」とは、坐禅中に行われる特殊な歩き方であり、坐禅と坐禅の合間に行われることから、「歩く坐禅」とも呼ばれています。瑩山禅師はこの方法で100歩ほどあるけば、必ず眠気は消えるだろうと『坐禅用心記』の中で述べています。

 何が特殊かといいますと、その〝歩く速さ〟です。

「一息半歩」と呼ばれる経行の歩き方は、一呼吸の間に半歩だけ歩みを進める非常にゆっくりとした歩き方です。

 どのぐらいゆっくりかというと……

 

 

 

 自然に息を吐いてー・・・・・・

 

 

 

 吸ってー・・・・・・

 

 

 

 ・・・・・・半歩。

 

 

 

 また息を吐いてー・・・・・・

 

 

 

 吸ってー・・・・・・

 

 

 

 ・・・・・・半歩。

 

 

 

 

 このように、文字であらわすのが困難な位ゆっくりとした歩き方で、筆者が実際にこの経行を行うと、半歩分進むのに大体10秒から15秒ほど掛かるのではないのでしょうか。

 

準備万端で臨むべし

 曹洞宗における坐禅の作法を記した『坐禅用心記』。この中には、坐禅中の心構えや、坐禅を行う際の注意点なども数多く記されています。

 その中の一節に次のような言葉があります。

「身命を管せずと雖も、衣足らず、食足らず、睡眠足らず、これを三不足と名づく。皆退惰の因縁なり。」(『坐禅用心記』より抜粋)

 古来より仏道修行は、身命を賭して励むよう言われており、その言葉の通り修行中に命を落とす者も少なくありませんでした。しかし、単に心と身体を苛め抜けばいいというものではありません。此の言葉が示すように、最大限の力を発揮するためには、日々の生活から調えていく必要があるのです。

 眠い。怠い。疲れが抜けない。

 そういった時私たちは、ついついその場で行うことのできる簡単な応急処置に頼りがちですが、問題を完全に解決するためには、もっと根本的なところから見直し、改善していく必要があるのかもしれません。

終わりに

 壁を向いて行う坐禅も、机に向かって行うデスクワークも、「動きが極端に少ない」という点では共通する部分があります。

 もし、適度に休んでいるはずなのに睡魔に悩まされているという方は、今回ご紹介した方法を是非試してみてください。

 

 それでも駄目な時は?

 

 その時は水で顔を洗い、頭を冷やしなさいと瑩山禅師は仰っています。

 ……眠気を強制的に覚ます方法は、今も昔もあまり変わらないようですね。

「居眠り」からみる仏教 ―瑩山禅師式睡魔調伏法―|ページトップ