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他は是吾れに非ず ~干しキノコから学ぶ典座の責任~|S-Labo

他は是吾れに非ず ~干しキノコから学ぶ典座の責任~

中野 孝海
日常精進料理考察

 各地で記録的な猛暑を観測している今年の夏。

 この暑さを何かに利用できないでしょうか?

 そう考えた時、ふと閃いたのが〝干しキノコ作り〟でした。

 誰でも簡単にできる干しキノコ作り。

 しかし、そこには道元禅師の修行に対する心構えが隠されていたのです。

20180820_133043

天高く、キノコ干す夏。

酷暑襲来

 大変暑い日が続いております。

 全国各地で最高気温を更新する今年の夏。猛暑を通り過ぎ、酷暑とも表現される夏の日差しが、連日猛威を振るっております。あまりの暑さに外出を控え、室内で過ごしている方も多いのではないでしょうか?

 しかし、ただ室内に籠っているだけでは芸がない。この照り付ける太陽を、何かに利用することができないだろうか?

 そう思い立ち悩むこと数分。

 私が出した答えは、〝干しキノコ〟を作ることでした。

典座という仕事

 何故今回干しキノコを作ろうと思い立ったのか?

 それは、『典座教訓てんぞきょうくん』という書物に関係があるからです。

 この書物は、福井県永平寺えいへいじを開いた道元どうげん禅師が記した指南書で、六知事ろくちじ(修行道場の運営や管理を担う6人の修行僧のこと)の1人である〝典座てんぞ〟と呼ばれる修行僧の心得を中心に、道元禅師が修行のために赴いた中国での体験談などが記されています。

 典座とは、修行道場における食事に関わる全てを任された大切な存在です。

 修行僧1人1人の健康だけではなく、時に修行に対する意欲すら左右する日々の食事。それを一手に任されているのですから、その責任は重く、計り知ることはできません。

 更に、典座もまた、1人の修行僧であるということを忘れてはなりません。

 食事を作り、振る舞い、片付ける。その1つ1つが大切な修行となる。

 そのことを道元禅師が改めて理解することができたのは、中国で出会った、1人の修行僧の存在があげられます。

用という典座

 道元禅師は更に仏教を深く学ぶため、29歳の時に中国へと渡りました。ここで道元禅師は、生涯を通じて〝本当の師〟として仰ぐ天童如浄てんどうにょじょう禅師をはじめ、多くの修行僧たちと出会うこととなります。

 今回取り上げるゆう典座も、その中の1人です。

 用典座と道元禅師が初めて出会ったのは、天童山てんどうざん景徳寺けいとくじという修行道場の庭でした。当時用典座は68歳の高齢でもあるにも関わらず、昼下がりの強い日差しが照り付ける中、日除けの笠も被らずに、一人黙々と食材を干す作務に打ち込んでいたといわれています。

 どうしてそのようなお年で、典座の下役や雇人を使ってやらせないのか、道元禅師は尋ねました。すると用典座は、

かれこれれにあらず」

 これは私の務めであり、私の修行である。他人が行っては意味がないではないか。そう答えたのです。

 それを聞いた道元禅師は、では何故このような熱い時間を選んでわざわざ作業を行うのか、質問を重ねました。

 この質問に対する用典座は、次のようなものでした。

さらいずれの時をか待たん」

 食材を干すのに今のこの時間が最適であり、修行を行うことも今この瞬間でしかできない。この瞬間を逃して、一体何時修行をやろうというのか。

 此の言葉に道元禅師は、強い衝撃と感銘を受け、典座という役職の重要性を改めて認識したといわれています。

 この時に用典座が干していた食材は、「たい」と呼ばれる海藻の一種と考えられています。しかし、日本においては何時頃からか「椎茸」というイメージが定着し、今日では「椎茸典座」として法話の題材として用いられることがあります。

 この点に関する詳細な考察については、下記のサイトを御参照ください。

・つらつら日暮らしwiki「椎茸典座」 

・つらつら日暮らし「椎茸典座の怪」  

干しキノコを作ろう(1日目)

 さて、そんなこんなで実際に干しキノコを作ってみようと、今回以下の3種類のキノコを用意しました。

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・椎 茸 2枚

・しめじ 1/4パック

・舞 茸 1/4パック

 

 勿論エノキやエリンギなど、これ以外のキノコでも可能です。

 やり方も実に簡単で、適当な大きさに割いたキノコをザルなどに重ならないように並べ、

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 虫や鳥などに食べられないように蓋をして、

20180820_132745ami

 日の当たる場所に置く。

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 これだけです。

 今回は準備の関係もあり、外に出したのは午後1時半頃でした。既に気温は30℃を超えており、この日は最大35℃近くまで上昇しました。絶好の干しキノコ日和です。

 そして時折裏表を返しながら、待つこと5時間ほど……

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 全体的に少し萎びた印象がありますが、触ってみるとまだ水分が残っているのが分かります。本当は夜間も外気に晒した方がいいのかもしれませんが、この日は天候が不安だったため、一度室内に避難させました。

干しキノコを作ろう(2日目)

 2日目も天候に恵まれ絶好の干しキノコ日和となりました。

 早速干しキノコを日の当たる場所へ。

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 夜の間も水分が抜け、良い感じに干されてきました。特に舞茸の変化が激しいことが分かります。

 これは期待できる。

 そう思って干すこと数時間……

 

 事件が起こりました。

 

 外出している間に強風に煽られ、ザルごと落下、中身が外に散乱していたのです。

 慌てて回収しましたが、時すでに遅し。全体の1/3は既に吹き飛ばされた後でした。

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 まさかザルごと落ちるとは。干しキノコに対する気遣いが足りなかったようです。

 それにめげずに干すこと数時間……遂に干しキノコが完成しました。

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 少ない(確信)。

 水分がなくなったのだから体積が減って当然。でも少なく感じる。

 あの時外出していなければ……

 複雑な思いを胸に、干しキノコ作りは終了しました。

干しキノコを作ろう(調理編)

 折角作ったのだから、実際に食べてみよう。

 今回は干しキノコを使った味ご飯を作ることにしました。

 

 材料は以下の通りです。

・干しキノコ 適量

・お米    2合

・水     200㏄

・醤油    小さじ2

・お酒    小さじ2

・塩     1つまみ

・ごま油   少量

 

 お米を軽く洗い、材料を全て炊飯器に入れて……

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 炊き込むこと数十分……

20180821_184512konoko

 キノコが香る美味しい味ご飯が完成しました。

 素朴な味わいですがそれもまた一興。修行時代を思い出す、そんな一品でした。

典座の責任

 干しキノコ作りを通して感じたこと。それは典座という仕事の責任でした。

 今回私は、貴重な食材であるキノコの1/3を紛失するという重大な失敗を犯しました。しかもそれは、ザルを固定したり、その場を離れないなど工夫や対応次第で未然に防ぐことのできる類の失敗です。

 何故このような悲しい事件が起きたのか。その1番の原因は私自身の〝食材に対する配慮〟が欠けていたことでしょう。

一茎菜いつきょうさいを取りて丈六身じょうろくしんし、丈六身じょうろくしんいて一茎菜いつきょうさいすは、神通じんづう及び変化へんげ仏事ぶつじ及び利生りしょうなればなり。」

(1本の野菜を手に取り、一丈六尺(約4.85m)の仏の身として用い、十分に活用し、また一丈六尺の仏身を1本の野菜に込めて、これを大切に用いることができるのは、これこそ本当の神通力というものであり、また典座の自由自在な働きでもあり、仏としての仕事である教化でもあり、また全ての人々を利益することでもある。)(『典座教訓・赴粥飯法』P48~P49 より引用)

 1つの食材を仏として扱う。そうすることができれば自ずと食材と真剣に向き合い、大切に扱うことができる。この道元禅師の言葉の通り、典座の仕事もまた大切な修行なのだということを改めて認識することのできた干しキノコ作りでした。

参考資料・リンク

中村璋八なかむらしょうはち石川力山いしかわりきざん中村信幸なかむらとしゆき典座教訓てんぞきょうくん赴粥飯法ふしゅくはんぽう』(講談社学術文庫、1991年)
菅原研州すがわらけんしゅう道元禅師伝どうげんぜんじでん』(曹洞宗宗務庁そうとうしゅうしゅうむちょう、2011年)
つらつら日暮らしwiki「椎茸典座」
つらつら日暮らし「椎茸典座の怪

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