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お葬式の必要性 ~祖母の葬儀から考える~|S-Labo

お葬式の必要性 ~祖母の葬儀から考える~

中野 孝海
仏教考察葬儀供養

 先日、個人で利用しているSNS上に、とあるネット記事が流れてきました。日本における昨今の葬儀事情に関する記事。それが今、強い反響を呼んでいます。

 『お葬式は本当に必要なのか?』

 筆者が体験した祖母の死と体験をもとに、その必要性を考察していきます。

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 祖母が亡くなった当日の朝の風景。この日からすぐに祖母との別れの準備が始まった。

とあるネット記事

 先日、個人で利用しているSNSのタイムライン上に、次のようなネット記事の情報が流れてきました。タイトルは「葬式はなくなる? 通夜なし、式なしの「直葬」選ぶ時代に」。

 この記事は2月11日に発売された『週刊朝日』に掲載されたもので、通夜や葬儀・告別式などの宗教儀式を伴わない「直葬」を体験した人物のインタビューと直葬に関する説明や考察が述べられています。この記事が、ネット上やSNS上で拡散され、大きな反響を呼んでいるのです。

 筆者が最初に読んだYahoo!Japanニュースの同名記事では、この記事のコメント欄に2月12日現在で1700件以上ものコメントがなされていました。掲載からわずか1日でこれほどまでのコメントが寄せられることは非常に珍しいように感じます。

現代の葬儀に見られる3つの特徴

 投稿されたコメントを見ていくと、その多くはお葬式に対する疑問や不満、不安な気持ちでした。それらを見ていくと、現代の葬儀に見られる3つの特徴が浮かび上がります。

 中でも特に多いように感じたのは、やはり金銭的な問題です。通夜・葬儀を執り行う会場費や花代、通夜振舞や精進上などの飲食費、参列者への香典返し、僧侶へのお布施や埋葬する墓地の費用等々。当然規模が大きくなればなるほどその費用は膨れ上がる一方であり、近年の節約志向や不安定な経済状況の影響もあって、規模を縮小し少人数で行う「家族葬」や、より負担の少ない「直葬」を選ぶ方が都心部を中心に増えてきているそうです。実質この記事によれば、一般的な通夜・葬儀を行った場合と、直葬を行った場合では費用の総額に6倍近い差が生じると報じており、出費を抑えることのできる小規模なものへと移行していくことは経済が停滞している以上、自然の理なのかもしれません。

 2つ目は亡くなられた方を含む人間関係の変化です。高齢化が進み、故人だけでなく、その友人や関係者の高齢となり、法要に参列すること自体が難しい、もしくは皆亡くなっていてそもそも参列できる人がいない。そういった理由で参列者の人数の少ない家族葬を選択されている方が多くなってきているように感じます。これは筆者自身、枕経の後に行われる日程などの打ち合わせの中でよく耳にする相談であり、小規模な葬儀が選ばれる理由の1つともいえるでしょう。

 そして最後に筆者が挙げられるのが、亡くなられた方が残した生前の意思が、以前よりも強く反映されるようになったという点です。近年注目されている「終活」のように、亡くなられた方が生前に「このようなお葬式にして欲しい」「死後はこのように弔ってほしい」といった意思表示を明確に残し、遺族がそれに従って葬儀を行うケースが増えてきました。

 故人の遺志を尊重した葬儀やお別れの会が開かれる一方で、「残された家族に負担を掛けたくない」「できるだけシンプルにして欲しい」といった負担や出費を可能な限り減らしたいという思いもあり、これもまた現代社会における経済状況を反映した上での選択のように感じます。

僧侶の葬儀

 様々な理由から様々な形での葬儀が行われるようになった現代社会ですが、通常葬儀は亡くなられた方が生前信仰していた宗教や宗派の作法に習って行われます。仏式の場合はその宗派の僧侶が自宅もしくは葬祭会場に招かれ、作法に則った葬儀が執り行われます。これは当然僧侶が亡くなった場合も例外ではありません。

 寺院に所属する僧侶やその家族が亡くなった場合、所属する宗派に合わせた儀式が執り行われます。一般的な葬儀と大きく違うことは、曹洞宗の場合だと葬儀が「密葬」と「本葬」の2回に分けて執り行われることが多い点です。

何故2回に分けるのか?

 『禅学大辞典』(大修館書店1985年)によれば、密葬とは「人が死亡して、直ちに本葬を行うことのできない事情のある場合、内輪で行う葬儀のこと」と記されています。著名な方や芸能人などが亡くなった場合、多数の参列者が弔問に訪れ、大規模な葬儀になることがあります。その分準備や連絡などに時間が掛かるため、先に家族や近親者のみで葬儀が行われ、荼毘に伏されます。これが密葬です。

 それに対して、後日改めて日取りを定め、大々的に行われる大規模に行われる者が本葬です。その際の名称は葬儀やお別れの会など様々です。

 そのお寺の住職などが亡くなられた場合、地域の僧侶や関係者だけでなく、全国各地からご縁のある方々が弔問に訪れることが多々あります。修行時代のご縁だけでなく、師弟としての繋がり、お寺とお寺の繋がり、その理由は様々ですが、由緒正しい歴史あるお寺の住職や生前に多くの功績を残した僧侶の葬儀であればあるほど、その規模は大きくなる傾向があり、準備に必要な時間も多くなります。

 以前筆者が関わった僧侶の本葬では、全国各地から200人以上の僧侶が集まりました。それに加えて常日頃お寺にご縁のある檀信徒の皆様方も参列していたので、大変な規模の葬儀になったことを強く覚えています。

祖母の葬儀

 筆者の祖母が昨年亡くなった際にも、やはり葬儀は密葬と本葬の2回に分けて執り行われました。密葬では家族や親族、常日頃からご縁のある御寺院様方が集まり別れを偲びました。ごく近しい間柄のみといっても、これだけで一般的な家族葬ほどの人数が集まったことを今でも覚えています。

 そして密葬からおよそ1か月後、祖父の命日に合わせて本葬の仏事が執り行われました。その際には県内外から多数の御寺院様が参列し、親族や檀信徒の皆様方と合わせると総勢で200人近い参列者が祖母の死を偲んでくださったことになります。今になって当時のことを思えば、その準備や対応などに家族総出で振り回され、亡くなった直後では〝おばぁちゃんの孫〟として、亡くなった祖母と落ち着いて過ごし、ゆっくりと別れを惜しむことはできませんでした。

 しかし、葬儀を執り行ってよかったという思いは間違いなくあります。僧侶として祖母の供養ができたこと。そして、参列して下さった方々から亡くなった祖母との思い出を耳にし、祖母という存在を改めて知りることができた方です。中には筆者自身が知りえることができなかった祖母の姿もあり、そこで初めてその人生の一端に触れることができたようにさえ感じました。

祖母の葬儀から想うこと

 確かに規模の大きな葬儀となると、費用面や準備の面で非常に苦労することは事実です。しかし、葬儀を行うことによって今まで知らなかった祖母の一面を知ることができ、祖母に対する供養の思いもまた強くなったことも間違いありません。

その経験を踏まえた上で筆者は、どのような形であれ葬儀という儀式を通じて、故人とのお別れは行った方が良いと考えます。通夜・葬儀という場は、亡くなられた方を偲ぶだけではなく、その方との思い出を共有し、想いを共に深めていくことができる特別な空間だからです。

 筆者自身、このサイトの中でお葬式や供養に関する記事を何本か手掛けてきました。理論的なことや伝統的なことから葬儀の必要性についてはそれなりに理解をしてきたつもりではありました。しかし、それまで暮らしてきた都心部から地元のお寺に戻り、実際にお葬式の現場に臨む機会も増えたことによって、理論や伝統的な事柄ではどうする事も出来ない現場の声を耳にすることが増え、葬儀や葬儀後の供養の在り方に関する相談を受けることも多くなりました。

 厚生労働省の統計によれば、年間死傷者数は年々増え、2040年には166万人に達するといわれています。今後更に多様化する人の死の在り方に、僧侶を始めとする宗教者がどのような対応を迫られていくことになるか。慎重かつ柔軟な対応が求められことになるでしょう。

参考資料・リンク

・週刊朝日「葬式はなくなる? 通夜なし、式なしの「直葬」選ぶ時代に」

・Yahoo!Japanニュース「葬式はなくなる? 通夜なし、式なしの「直葬」選ぶ時代に〈週刊朝日〉」

 

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