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アンドロイド観音爆誕 ~マインダーについて考える~|S-Labo

アンドロイド観音爆誕 ~マインダーについて考える~

中野 孝海
仏教考察

2019年の3月、京都にある臨済宗建仁寺派に属する高台寺において、新しい観音菩薩像が一般に公開されました。

その名も「マインダー」。

プロジェクションマッピングと人工音声によって、自ら大衆に教えを説き示すことが可能となったアンドロイド観音です。

最新の科学技術によって建立された、新しい仏像の誕生。

このことについて考察していきます。

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彼の力を念じれば、あらゆる困難から救われる。

アンドロイド観音爆誕

 今年の3月、京都府京都市にある臨済宗建仁寺派、高台寺において、マインダーと呼ばれる観音菩薩像の開眼(魂入れ)法要が厳修され、一般に公開されました。

 金属のパーツが剥き出しとなったボディーに、シリコン製の顔と手。一般的な仏像のイメージと大きくかけ離れた姿。この姿をネット上で初めて見た時、筆者は2016年に公開された洋画『エクス・マキナ』に登場する女性型アンドロイド〝エヴァ〟の姿を思い浮かべました。何も知らない人は、一見しただけではこれが仏像であるとは到底わからないでしょう。

 私たちが思い描く一般的な仏像といえば、お寺の本堂の正面にお祀りされているそれである。木を彫って作られたものもあれば、土を焼いて作られたもの、金属から鋳造されたものなど、大小様々であるがそのどれもが鎮座し、静かに私たちのことを慈愛に満ちた眼で見つめています。

 しかし、このマインダーは文字通り〝動く〟ことができます。上半身だけですが、人と同じような身振り手振りを行うことができ、更には口や顔を動かしてその場にいる参拝者たちに語り掛けることもできます。〝動かない〟という従来の仏像の概念を覆したという点においては、まさに革命的ともいえるでしょう。

アンドロイドはありなのか?

 そもそも、アンドロイドを仏像と呼ぶことができるのでしょうか?

 筆者は、仏像と呼ぶことに問題はないと考えています。

 1つ目の理由として、僧侶による開眼供養が行われたことが挙げられます。開眼とは位牌や仏像、墓石などを新たに建立した際に行われる法要で、そのものに魂を込めることによって、ただの彫刻から、仏像に変える大切な儀式であり、今回も関係僧侶たちの手によって公的に行われました。この時点で、1体の仏像として信仰対象と成ったことになります。これが1つ目の理由です。

 2つ目の理由は経典の中に書き記された言葉です。

『妙法蓮華経観世音菩薩普門品』という経典の中に次のような一説があります。

「観世音菩薩 即現仏身 而為説法」(観世音菩薩は、すぐに姿を現し、教えをお説きになられる)

 この言葉が示すように、古くから観音菩薩は人々の求めに応じて自在に姿を変え、教えを説かれると伝えられてきました。人間の姿を借りる時もあれば、神仏の姿で現れることもある。そう考えるならば、アンドロイドという近未来的な姿も、観音菩薩から見れば現代社会に則した一形態なのかもしれないと思ったからです。求める力が観音様を顕現させると言ってもいいかもしれません。

 以上の事柄から、アンドロイド観音マインダーは、仏像として呼ぶことができるでしょう。考えてみれば、今、国宝として奉られている観音菩薩像も、当時の先端技術によって造形されたものです。現代の最新技術を取り入れた仏像として表れた姿なのだと思います。

アンドロイドに足りないもの

 現在マインダーは、高台寺教化ホールにおいて1日に5回の般若心経に関する法話の実演を行っております。今後開発が進めば、それ以外の経典の解説や、法事や葬儀の場でも法話を行うことができるようになるかもしれません。機械という特性を利用すれば、正確かつ膨大な量の知識を相手に流暢に伝えることも可能ですし、プロジェクションマッピングを活用すれば、より分かりやすく直感的に理解を促すことができるでしょう。

 しかし、葬儀や通夜、枕経のように、相手の苦しみや悲しみに深く寄り添い、言葉をかけることができる。その一点についてだけは、未だ人間の方に大きく分があります。

「人工知能には、私たちのような「身体」がない。だから欲求がない。そこが人間らしくないところなんですね。人工知能を人間らしくするためには、むしろ「煩悩」が必要なんです。」

DIAMONDO online『マインドフルネスを「筋トレ」から「オーガニック・ラーニング」へ』2頁目より引用)

 ゲーム・人工知能開発の第一人者である三宅陽一氏は、国内外でマインドフルネスや坐禅の指導を行っている藤田一照老師との対談記事の中で、上記のような発言をしました。

 同じ身体を有し、同じ命を有する人間だからこそ、生きることによって生じる様々な苦しみや悲しみを理解することができる。煩悩を有するが故に、煩悩を理解することができる。何とも皮肉な話のように聞こえます。

苦悩するAI

 以前S-Laboでは、『ロボット導師誕生』という記事をWeb上に公開しました。2018年8月に東京ビックサイトで開催されたエンディング産業展で発表されたロボットによる葬送儀礼の提案と、それを可能にするべく葬儀の作法や法話などをプログラミングされたロボットによるデモンストレーションに関する考察記事です。

 この記事の著者である本多氏は、「ロボット自身に死者の弔い、供養を行いたいという気持ちがあるのか」という点に着目しました。形式上は可能であったとしても、そこに宗教的な理解と故人を弔いたいという供養の気持ちがロボット自身に芽生えなければ、本来の葬儀が持つ意義を見出すことはできないでしょう。

 しかし、今後科学が更なる発達を遂げれば、苦しみや悲しみを理解する、もしくは自らも苦悩するAIが誕生するかもしれません。

 その時彼らは、一体どのような言葉を口にするのでしょうか?

参考資料・リンク

PRESIDENT Online『〝1億円のロボット観音〟マインダーの狙い』

YouTube Kyodo News 『アンドロイド観音がお披露目 京都・高台寺』

日テレNEWS24『アンドロイド観音、法話はどう聞こえる?』

高台寺『アンドロイド観音マインダー 般若心経を語る』特設サイト

DIAMONDO online『マインドフルネスを「筋トレ」から「オーガニック・ラーニング」へ』

S-Labo『ロボット導師誕生』

 

 

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