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「バ美肉おじさん」の衝撃|S-Labo

「バ美肉おじさん」の衝撃

本多 清寛

【自己紹介】はじめまして!キズナアイですლ(´ڡ`ლ)

受肉。それは、神の御言がこの世に肉体を持って現れたことを言う。

応身。それは、仏がこの世に出現し人々に働きかけることを言う。

 

我々の世界には理解不能なものがたくさんある。むしろ、世界が理解出来ていると考える方がおかしいのだろう。同郷で言葉を交わしても、本当にわかり合えているのかが不安になることがある。同じ日本に住んでいても、言葉が通じないことがある。

 

あなたは

「バ美肉おじさん」

というおじさんをご存知だろうか?

 

 

YouTuberのその先

 2014年10月2日「好きなことで生きていく」というキャッチコピーが、YouTube公式チャンネルに登場しました。その当時、HIKAKINさんやはじめしゃちょーさんなどがテレビCMに登場し、初めてYouTuberを知った方もいらっしゃると思います。

 しかし、今では将来成りたい職業ランキングの中にYouTuberが入る時代となり、職業として定着したと言えるでしょう。ちなみに、1989年から行われている、第一生命保険株式会社の「大人になったらなりたいもの」アンケートには、僧侶がランキングに入ったことはありません。日本に住む人数で言えば、プロとして生活しているYouTuberより僧侶の人数が多いはずですが、顔を見る機会は惨敗のようです。

 そして、2016年に登場したA.I.Channelのキズナアイさんからは、本人の「顔」すらなくなってしまいました。バーチャルYouTuber(以下V Tuber)の誕生です。

顔を見せないYouTuber

 普通のYouTuberは自分の顔を出したり、あるいは仮面を付けたりして動画を作成しています。しかし、VTuberは二次元のキャラクターを動かすことで、アニメのような動画を作成しています。

実際の動画例→まぐろなちゃんねる

 

 カメラの前で、撮影者が動くことで、動画内のキャラクターが動きます。そして、声すらも自分の声ではなく、ボイスチェンジャーを使って、性別を変えて声を作ることも可能です。

 つまり、何処の誰かも分からなければ、性別も分からないのがVTuberなのです。初めてこの人達を知った時、身元を隠すためにバーチャルなキャラクターとして活動しているのだと考えていました。

・バーチャル美少女を受肉するおじさん

 本来「受肉」は、キリスト教で使われる用語で、神の御言を表すため、神の御子としてイエス・キリストが存在することを意味するものです。仏教用語もそうですが、ある宗教の中で使われる言葉が一般に流布したとき、本来の意味とは違う使われ方をすることは多くあります。「受肉」も同様に、普通の人が、二次元のキャラクターに成ることを指す言葉として使われ始めました。

 そして今、おじさん達が、美少女キャラクターを受肉することとなったのです。鏡に映ればおじさん、パソコンを通せば美少女。様々な技術を用いることによって、美少女として暮らしていくことができる世界が誕生し、そこで生きる美少女こそが「バ美肉おじさん」(バーチャル世界で、美少女を受肉した、おじさん)なのです。

 

おじさん達は身元を隠すのではなく、別の存在と成っていったのです。

おじさんがおじさんを辞めるとき

筆者は冒頭に紹介した記事で「バ美肉おじさん」を知りました。

 この記事では、おじさんが、美少女として動き、美少女として喋り、美少女としてチヤホヤされていけば、アイデンティティの上書きが起こると予言しています。おじさんである現実が、美少女としての現実に上書きされてしまうのです。そうすると、現実世界の身体が「おじさんの形」をしていることに疑問が生じ、後天的なトランスジェンダーなり得ると予想しています。

 考えてみると、“自分”の体型や容貌を変えるために、ダイエットや整形をする人が求めるものと似ているかもしれません。さらに、新たな『自分』の精神性を創ろうとして、自己啓発や宗教に依存しきってしまう構図にも似ているように思います。

バ美肉おじさんの現実の上書きも、整形中毒者も、異常に思える自己変革も、今現在の『自分』の在り方を否定し、違うものになろうとするところから始まります。過度な否定によって引き起こされる苦しみといえるでしょう。

「バ美肉おじさん」は悪なのか?

 おじさんという現実に、美少女を上書きすることは悪いことなのでしょうか?筆者はそう考えていません。なぜなら、幼い頃から色んなものを自分に上書きしてきたからです。

 例えば幼い頃、ヒーロー戦隊や、仮面ライダー達の活躍を上書きし、変身して悪と闘っていました。中高生になれば、小説や漫画の主人公に共感し、自分がその世界に入ることを想像したり、現実に主人公がいたらどうするかを考えたりしていました。そして、スマホの画面を閉じれば、しょぼくれた自分の顔が映り、主人公ではない自分に返ってくるのです。

 バ美肉おじさんも、鏡を見ればそこにおじさんが居ることは分かっているはずです。しかし、美少女として人々に受け入れられ、美少女としての自分を追い求め続ければ、鏡に映るおじさん側を否定せざるを得なくなってしまうのでしょう。筆者が問題だと思う点はここにあります。

 

自分の現状を、ありのままに苦楽する

 バ美肉おじさん達の現状は、鏡をみればおじさん、パソコンを通せば美少女という、二つの暮らしがあります。つまり、コンビニに買い物に出ればおじさんとして振る舞い、YouTubeでは美少女として振る舞う。二種類の振る舞いが、どちらも本物の自分だと認識できれば問題ないはずです。そして、おじさんの苦楽と美少女の苦楽は別物なので、それぞれに楽しみ、苦しむことになります。バ美肉おじさんには、おじさんと美少女が混在しているので、美少女を好み、おじさんを嫌っても、その二つを切り離すことは出来ません。無理をして切り離せば、大きな苦しみを背負うことになるでしょう。

 この苦しみは、自分が嫌いな人が、自分を見失っていくことに似ているような気がしています。

選り好みを離れて安楽な暮らしを

 「至道無難 唯嫌揀択」(至道しいどうは無難、唯だ揀択けんじゃくを嫌う)

この言葉は信心銘という経典に書かれています。意味は【悟りの道は難しくはない。唯だ、選り好みをし、そこから選び取ることを嫌うだけでいい】というものです。

 正直、これはとても難しいことだと思います。どうしても、好きな方を選びがちだからです。そして、世界が好きなものだけになって欲しいと思ってしまうのです。けれど、その世界がやってくることはありません。なぜなら、人間の好みは変わってしまうものだからです。

子どもがピーマンを食べられるようになるように、大好きだったあの人が憎らしくなってしまうように。何かをきっかけに好きになるということは、きっかけさえあれば嫌いにもなり得るということです。もし、嫌いなものを排除して、好きなものだけの世界を創ったとしても、何かをきっかけに嫌いなものが生まれてしまいます。

 平成の終わりには、多様性の大切さが叫ばれるようになりました。外国人労働者の流入による文化の多様性、LGBTに代表される性の多様性、ワークライフミックスやバランスで言われる働き方の多様性など、一つの在り方を正しいとするのではなく、いろんなものを認めることが必要だと言われています。

 多様性を認めるということは自分が嫌いなもの、否定したいものを認めるということでもあります。好きでも嫌いでも、そこに存在しているものを認め、自分で考えてみる。令和の時代には、好き嫌いを離れた生き方が迫られるようになっていくのかもしれません。

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